ありがとうについて

| by Life Is Water Band / たけし |

何回目かのTeenage Slang Sessionsの演奏を見た時に違うバンドになっている様な印象を急に受けて驚いたのを覚えている。知らない景色や街が広がっているような音楽を作るバンドになっていたのだった。それから幾度か彼らが演奏をするのを見る機会に恵まれた。見る度に彼らは作り出した街の風景を色濃く音に出してくるようになっていった。自分は何時も頭の隅で随分歳を取った時の事を考えている。そして、その時に一緒にいれたら楽しいだろうなと思える人を探していて、出来れば感覚が少し似ていた方がいいなんて事も考えている。何度も見るうちに彼らがそれなんじゃないかなと直感的に思うようになった。ライブ終わりに酒の力を借りてTeenage Slang Sessionsで曲を作っているジン君に話しかけた。「何か一緒にやりたいよ。企画を一緒にやらないかい?」と聞いたら彼は「おぉ、それは楽しそうだね。やろうよ」と言ってくれた。

そうして、企画をつまみにして2人で会い色々な話をしながら深酒する様になった。これが思っていたより随分と楽しくて自分の直感は間違っていなかったと思った。それから半年位して共同企画「ありがとう」を吉祥寺にて行った。人が沢山来てくれて、なんだ!!いい企画じゃないか!!と喜んでくれた。ジン君もオレも成功した喜びを隠して皆にそう?ありがとうと平静を装って言っていたのを憶えている。後日、また2人で深酒した時に上機嫌になって最高だったじゃないかずっとやろうぜとなったのだった。

その後、ジン君が手に大怪我を負ってしまい長い期間企画から遠のいた。完治した頃にちょっと相談があるから飲まないかと連絡があり2人で深酒をした。酔いが回っていい感じでふらふらになった頃に、ジン君がこのバンド良いと思うのだけどどう思うか?とサンフランシスコのバンドApril Magazineを聞かせてくれた。その後にライブの映像を見た。誰にも似ていない、メロディーを持った良いバンドであった。こりゃいいね、好きだと伝えるとジン君が今度日本に来るんだけど「ありがとう」でどう?と言った。飛び上がるほど嬉しかった。やりたいと即答した。

その後何度か深酒をして日にちを11月24日の日曜日。対バンにはもうひとつ、変わっていて面白い連中CAR10を呼ぶことにした。これで楽しい日になることは決まった。自分が子供だった時、ライブハウスに行くという行為は特別な行為だった。それはそこには特別な空間があったからだ。自分はありがとうでそれを作りたいと思っている。