むかし話(前編)

| by Teenage Slang Session / じん |

Jason Paul & The Know It Allsを迎える今回のありがとうを開催するにあたって、ちょっとかいつまんだボクの昔話。バンド名多めのボクの嫌いなタイプの文章なのでごめんなさいを前置きします。

ボクは昔、米国カリフォルニア州に住んでいた。そして、ボクの90年代初期のパンクヒーローのひとつにF.Y.Pというバンドがいる。同じくカリフォルニアのバンド。もう20年くらい昔かな?ラッキーなことにボクは実際に彼らと出会うことができた。バンドが解散するまで何度も演奏を見に行ったし、昔やってたNo Peopleというバンドで一緒にライブをすることもできたし、家に遊びに行かせてもらったりした。誰も褒めてくれないがはっきりいって自慢だ。このバンドにショーンという人がいる。今回の来日バンドのメンバーである。おしゃべりではないがいい雰囲気の空気感を持つ男。初めはドラムをやってて事情あって途中からベースをやるという遍歴の持ち主。のちにこのバンドが解散してToys That Killというバンドになり、彼は今もそこのギターリストである。それから度々ボクはアメリカでツアーしたりして彼らと再び一緒に演奏したりした。

何度目かのツアーで、ある巨漢に出会う。名をマティという。彼はボクより若いが完全にF.Y.Pフリークのひとりだった。彼は若いながらレーベルやるんだとカリフォルニアのサンディエゴという街の片隅で野望を抱いていた。有言実行。彼はレーベルをはじめた。ボクの今でも好きなバンドDrinkers Purgatoryというバンドをリリースした。このバンドにはのちのWhite Nightのメンバーがいたり、最後のF.Y.Pのドラマー(今はMinute Manのマイクワットと活動中)が在籍していた。その周りにも若きAudacityやThee Makeout Partyの面々などがいて、ボクらのライブを観に来てたりしてた。そんな訳でマティくんや彼周りのバンド共々どんどん仲良くなっていた。それからいろいろマティは自分のレーベルでリリースしたりして、ボクらNo Peopleと前述のDrinkers PurgatoryとOff With Their Head、The Undeground Railroad to Candylandとの4 Way Split LPをリリースまでしてくれた。

そんな彼は仕事の都合で太陽燦々たる西海岸から遠い東側のウィスコンシン州ミルウォーキーというところに引っ越してしまった。そこでそっち方面のバンド界隈とつながりを持つようになる。そこで出会ったのが今回来日するバンドの主役であるジェイソン。そんな頃(おそらく今から10年以上前)、ボクは再び自分のバンドで今度は東海岸方面ツアー。ちょうどいいじゃん!とマティが運転やらいろいろやってくれた。空港で相当に百悶着くらいあってミルウォーキーからフロリダに向けてツアーをスタート、初日のミルウォーキーではHoly Shitとかとやった。シカゴではHeart Shaped HateやSass Dragonsとかと、さらにボクらのために1日限定復活ライブしてくれるThe Sissiesを頼ってインディアナ州ブルーミントンへ、それからテネシー州チャタヌーガでUsed KidsやShark Pants、ADDCらと対バン。フロリダ州ペンサコーラではThis Bike Is A PipebombやGod Equals Genocide、Shang-A-langと。それからThe Festに出演。もちろん、ショーンのいるToysやCandylandにもツアーの途中から合流。本当にいろんな友達に会ったり再会したりして楽しすぎてツアーが終わってしばらく虚脱に溺れる。

つづく