むかし話(後編)

| by Teenage Slang Session / じん |

しばらくして、マティはミルウォーキーを離れ再びサンディエゴに戻るも巨漢ボーイの大移動。ベトナムに移住。これにはびっくり!なんで?どうして?!料理人になったのだという。ボクもツアー後の虚無虚脱と不手際な人生の結果、私生活での様々な変化&10年以上やってきたバンドを解散して、今のバンドTeenage Slang Sessionの活動を本格的に開始する。地球が回る、世界が巡る。みんながみんなそれぞれの出発を遂げる。みんな生きてる。なにかと保守的にいられないボクの人生。この間に10年くらい長い月日が流れた。「10年くらい」という6文字に簡単に収まってしまう日々。ボクにさらに本当にたくさんの紆余曲折がやってきて、マティにもいろんな事が起こったのだろう。ビッグボーイ、マティが日本に引っ越してきた!東京来たんか?!と思ったら北海道だという。北海道で料理人兼マネージャーやるんだという。変なやつ。北海道行く前に東京に遊びに来て、2人でしこたま飲んだ。あとでレシートみたら2人で最後に入ったバーで15000円使ってた。その飲みまくっていろんな話してる最中、マティが友達のジェイソンのバンドに日本ツアーやってやりてぇという話してた。メンバーはToys That Killのショーンだという。おいおい、だったらしゃーねー、お手伝いやるきゃなーのやつだぎゃー!となってテキーラ飲みまくって夜中やたらゲボ吐いたの覚えてる。

つーわけで、痛飲痛吐のボクは後ほど正気に戻り、またも来日バンドのサポートとして企画をやることになったのでバンドメンバーに相談。そしてLife Is Water Bandのたけしくんにも相談。ちょうどタイミング良いことにうちの鍵盤姫ウッズの演奏会的なものにドラムのTKRとたけしくんと遊びに行った帰りに3人で新宿の中華屋で飲んで、それから雰囲気変えるためにいつもの公園近くで飲んだので、2人に音源を聞いてもらった。2人とも「いいじゃん」って言ってもらえてほっとひと安心。ぜひ「ありがとう」でよろしくお願いします!と、なって今回の企画に向けて出発することを誓って、その前にもう少し飲もうってなってボクとたけしくんは飲みに飲んで、TKRはどうしても立ち食いそばが食べたいとそばを食べに出発して今回のこの企画に漕ぎ着けたのでした。

それからなぜかこの半年の間にアメリカの友達がまぁまぁの頻度で入れ替わり立ち代わり遊びにきてて、その中の一人のテリンちゃんという絵描きガールに今回の企画の絵を頼んだ。「ありがとう」という名前の企画で、ボクにとってとても特別な企画であることを説明した。しばらくして描いて送ってくれた絵をみた時、ぼかぁ泣きそうになってしまった。普段の生活の時間を削ってこんなにすごくいいの頑張って描いてくれたのかと思って。だからその努力に報いれるようすごくいいのやろうと思った。

個人的にはショーンやマティとの再会も、未だ話したことのないツアーバンドのその他のメンバーたち、そして、たけしくんが対バンオファーしてくれたまだ見ぬThree Ring Circusさんも全部ホントに楽しみ。別に人生の集大成ってわけじゃないけど、自分のバンドメンバーたちを含めて、たかだか20年くらいの間の様々な形の出会いと別れがここに繋がってくるかと思うと不思議だなぁと一瞬センチメンタルに思った…否。だが断る。新宿の小洒落た喫茶店でチョコレートシェイクを目の間に満面の笑顔の少女の今この瞬間が大事であるように。それを尻目にボクがこのような駄文と格闘するボクにとっても今とこれからが大事なわけで、むかし話はこれで終わり。こういうのはテリンちゃんの絵と同様、ありがとうで返す!「ありがとう」企画をワクワクで開催する。それがいちばん。だからみなさん今回も隅々までどーぞどーぞよろしく。みんなで楽しめたらすごくうれしいです。