いきさき。

| by Teenage Slang Session / じん |

前回のつづき…

共同ライブ企画「ありがとう」が吉祥寺で開催された。

2018年6月23日(土)、ボクの中でタケシくんを含めてこの企画が今のボクの人生の一部になった。大袈裟な表現だがボクからすればちょうどいい表現。それくらい心地よくて好きな空間だった。場所もお客さんも対バンも全てよかった。バンドメンバーも企画を気に入ってくれたのも嬉しかった。タケシくんという存在が少し割合的にバンドメンバー以下、友達以上になっていた。この日のために何度も集まって話し合ったり、場所探ししたり、各々がいろんな作業をしてたからだと思う。またやりたい、やろうと思った。

こうなると、ボクの中の「ありがとう」とは今までありがとうという意味で、もしかしたら、さようならの意味もあるかもしれないし、これからありがとうと言い合える仲間募集的な意味かもしれないし、ごめんなさいと素直に言えない代わりに「ありがとう」というお祭りにすることで供養する的な意味なのかもしれない。もしかしたらこの全部かも知れない。しかし前述の通り、酔った上に話が盛り上がってきてこの企画名を思いついてくれたのはタケシくんであって、意味はみんなで勝手に付けていっていいと思う。ボクも自分の意味を勝手に付けていく一人だが、この企画は常に頭の片隅に置きながら思考すべき対象になった。

さて、この企画にはルールがある。企画名通り「ありがとう」と言うこと。どんな状況結果でもライブイベントが終わった時にボクがタケシくんに、タケシくんがボクに。我々から自分たちのバンドへ、そして来てくれたお客さん、出演バンド、そして貸してくれた場所へ。しかし、「ありがとう」をメンバーや出演バンド、お客さんへ表現するときにただその言葉を贈るだけではボクらがやっている芸術にそぐわないので、自分のバンドも含めて出演バンドには必ずギャラを払うこと、お客さんへは抽選だけどボクらが作ったミックステープやらなんやらをプレゼントしたり、フライヤーや文章などなどを一生懸命やろうということにした。

一番に二人が気負わずに楽しむ事、楽しめるようにやる事も大事なルールの一つ。万が一、お客さんが入らなくても、自分の演奏がダメでも、「ごめん」だけは言うのはやめようというルール。自分たちが赤字になろうとも必ずバンドやお客さんには還元すること、どちらが万が一凹んでもどちらかが必ず助け起すというルール。どんな時でも楽しくするために頑張って色々含めてありがとうと言い合うルール。ルールというの名の意識付けかもしれない。ある日、「ありがとうの反対語はあたりまえ」という言葉を見かけたことがある、本当にそうだと思う。ボクらがちゃんと意識してありがとうを使う機会は少ない。だからこそのこの企画の名前、この企画のルールなんだと思う。